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パダワンとはスターウォーズに登場する戦士で、修行中の身の戦士の事です。私の仕事の車に関係する”ガレージ”を付け、初心に返る意味で、屋号にしてます♪


by deshi-mie
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13. 希望

署に戻った村松は、早速ビデオをチェックし始めた。
「佐々木が帰って来たら驚くだろうな。」
心なしか少しテンションが上がっていた。何か見つけられそうな気がしていた。
「四人の周りの人物に、共通点はないのか?」
どのビデオも、ひとりでに歩いてホームの下に消えて行く、被害者の映像が映っているだけだった。

「どんな小さな事でもいいんだ。見つけろ。」
いつしか村松は自分に言い聞かせていた。そこへ佐々木が帰って来た。すぐに村松は、
「佐々木。今度の被害者も占いに凝ってたぜ。」
少し笑みを浮かべながら言った。
「本当ですか?それって、マジもんの共通点って事ですかね?」
佐々木もまた、興奮して言った。
「まだ分からんがな。お前の感が当たっているかもしれんぞ。ところで、他は何か分かったか?」
「いえ。他は何も。手掛かりありませんね。」
疲れた様に佐々木が答える。
「もう一度、ビデオと調書をチェックするんだ。きっと何かあるはずだ。今度は俺が調書を見てみる。」
そう言って、村松は調書をめくり始めた。

そんなに多くない調書とビデオ。時間も掛からずチェックは終わった。
「どうだ?何か怪しい事でもあったか?」
村松が尋ねる。
「いいえ。これといって共通人物もいませんし。やっぱり、占いか何かですかね?」
二人は煮詰まってきていた。
「そうだ、四つのモニターで同時に見てみましょうよ。何か分かるかも知れない。」
ふと思いつきで佐々木が言った。
「そんなんで何か分かるのか?」
疑問に思い村松は聞いた。
「分かりませんけど、何かした方がいいでしょう?」
佐々木も思いつきで言ったので、これといった答えは持ち合わせていなかった。
早速モニターを用意して、ビデオを再生する。

「何だか、何度も飛び込みの瞬間を見るのって、気分が悪いですね。」
佐々木が滅入った様に言う。
「仕事だから仕方ないんだよ。」
もう何十回とこのビデオを見た村松が、諦めた様子で答える。
「ん?もう一度全部戻してくれ。」
村松が慌てて言った。
「何かあったんですか?」
佐々木も慌ててビデオを戻しながら聞いた。
「ちょっと、ここ見てみろ。」
村松が指差したのは、被害者の手だった。
「え、どこですか?手ですか?」
佐々木も身を乗り出して、被害者の手を注視した。
「ほら、見てみろ。これも、これも。これはちょっと見難いが。ほら、これも。三人ははっきり見えるだろ?」
村松は興奮を抑えきれない様子だった。さすがに佐々木も気付いた。
「あ!みんな手に携帯を持っている。」
そう、四人中三人は、はっきり手に携帯が見て取れるのだ。残念ながら、一人はカメラの角度の関係で見えなかった。
「今日の夕方の事故のビデオが来れば、確信が持てそうだぞ。」
まだほんの少ししか謎が解けていないが、もう一つのビデオに、希望の光がある事を信じていた。
by deshi-mie | 2005-06-20 13:18 | 小説 第ニ章