パダワンとはスターウォーズに登場する戦士で、修行中の身の戦士の事です。私の仕事の車に関係する”ガレージ”を付け、初心に返る意味で、屋号にしてます♪


by deshi-mie
カレンダー
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31

26. 効果

朝早く、村松は被害者の同僚の会社にいた。
応接室に通された村松は、出されたコーヒーを飲んでいた。いつも朝はお茶の村松は、朝からコーヒーなんていつ以来だろうと考えていた。
そこへ、ノックの音がし同僚が入って来た。まだ、事故のショックから抜けていない表情だった。それは、事故当日に会った村松に再会した事で、その時の事が思い出されたからかも知れない。

「だいぶ落ち着きましたか?」
村松が挨拶の後、声を掛ける。同僚は返事も無しに首を横に振った。
「ええっと、お名前は前田さんでしたね。」
調書を見ながら村松が話す。
「色々と調査してみたんですが、まだこれらの事故の関連性が見付からなくてですね、もう一度全てを見直してみようと言う事になったんですよ。」
これまでの経緯を前田に話す。
「ビデオを見て気付いたんですが、事故直前、前田さんは電話をしていますよね?」
前田が顔を上げて答えた。
「ええ。でも、私が電話に出て、もしもしって言った瞬間、もうあいつが歩き出したんで、私は急な事にそっちに気を取られて何も話していないんです。」
「電話が掛かって来たんですね?」
「ええ、そうです。掛かって来ました。会社からですが。すみません、電話が何か関係あるのでしょうか?」前田は疑問に思い聞いてみた。
「いえ別に特別どうって訳ではありません。前田さんもご存知の事と思いますが、皆さん携帯を持って亡くなっていらっしゃるもので、一緒に居た前田さんは何故大丈夫だったのかと思いまして。それが解決の糸口になればと。」
村松はいらぬ詮索をされないように話した。それから十分程で話は終わった。二人で応接室を出て、挨拶を交わした瞬間、前田の携帯が鳴った。
「あ、すいません。それじゃ、これで。」
立ち去りながら、急いでポケットから携帯を取り出して話す前田。村松はその後ろ姿を見つめていた。

思い違いだった。ただの電話だった。考えてみれば、これだけ携帯が普及しているのだから、事故現場で電話をしている人が居てもおかしくは無いのだ。しかし、村松は妙に引っかかっていた。世間でサイトが騒がれてから、事故は減っていた。周りの人々も気に掛けているようで、不自然に前に歩いて行く人に声を掛け、未然に事故を防いでいた。
しかし、不幸にも助からない人々も少なからず居た。助かった人たちの共通の事は、何も覚えていない事だった。全く無意識のうちに歩いていたのだと。
確実な事は、その全員があのサイトに登録していた。だが、噂の事で、全員が退会していた事も事実であった。一度登録をすれば、退会しても呪いは続くと言う事なのか?

佐々木から連絡が入った。処理部で何か分かったと。村松は急いで向かった。
佐々木は先に着いていた。
「警部。これで人が死ぬとは思えませんが、これは何かの手掛かりになると思いますよ。」
そう言って、画像処理部へ案内した。いくつものモニターや機材。村松にとっては、あまり居心地の良い部屋ではなかった。
「それで、何がわかったんだ?」
早速村松が聞く。
「これは、サブリミナル効果です。」
職員が答える。
「サブリ・・・」
村松には分からなかった。
「サブリミナル効果です。」
職員は、村松に詳しく説明した。
サブリミナル効果とは、人の意識のレベルでは認識されないが、潜在意識に届くように、特殊な音や映像を使って潜在意識を刺激する手法である。
例えば、海外での実際の話だが、ある映画の途中に、人の目では認識出来ない程短い時間、一秒の何十分の一程の時間、飲料水の画像を一瞬だけ入れると、映画を見終わった人達の何人かは、この飲料水を購入するというものだ。
また、オリンピックの選手の精神向上等で、サブリミナル効果を用いたB.G.Mが使われている事もある。海外ではサブリミナルを使った宣伝会社が多数存在すると言う。
しかし、実際この様な効果で、人が無意識に行動すると言う事はほとんど証明されていない。よほど集中して映像や音楽を聴き、尚且つ、メッセージが自分の潜在意識に呼びかける物でなければ、ほとんど効果がないと言われている。
しかし、逆に言えば、全てが当てはまれば、出来ない事はないのである。説明を聞いた村松は、ほとんど理解出来なかった。何となく分かった程度であった。
「それじゃ、今回の事故はこれでは不可能だと?」
村松が聞いた。
「ええ。これだけでは無理と言うか、不可能ですね。被害者全員が共通している事なんて占い位でしょう?しかし、メッセージ自体は死を表しています。見てみますか?」
そう言ってモニターに村松を呼んだ。その映像とは、以外にオープニングの映像だった。あの携帯離れした映像の途中に、ところ所画像が入っていると言う。
「ご覧になっても分からないでしょう?画像を集めてみました。全部で三点です。」
そう言って画像を見せた。最初は文字で「死ぬ」。そして電車の写真。最後に水泳の飛び込みシーンの写真だった。村松は聞いた。
「確かに今回の事故と関連ありそうですが、私にはとてもこれだけで、自殺なんかするはずないと思うのですが。素人考えですが。」
佐々木もそう思っていた。
「確かに先程説明しました様に、私も無理かと思います。しかし、これだけ関連がある画像、そして共通するサイト。人を動かす何かがあれば可能かと。」
「十何人もこれで死んだと?」
佐々木がそんな馬鹿なといった感じで言う。
「断定は出来ませんが、何かがあれば可能性はゼロではないと言う事です。」
自信なさそうに職員は答える。
「今、音の方も解析中ですので、何か出てくるかもしれませんよ。予想ですが。」
職員の声が小さくなる。
「まず、これを作ったソフト会社へ行こう。」
村松は佐々木に言った。二人は南城の所へ向かった。
[PR]
by deshi-mie | 2005-06-21 10:58 | 小説 第三章