パダワンとはスターウォーズに登場する戦士で、修行中の身の戦士の事です。私の仕事の車に関係する”ガレージ”を付け、初心に返る意味で、屋号にしてます♪


by deshi-mie
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25. 見えなかった物

情報処理の主任が、村松達に説明していた。
「パスワードを頂きまして、このデータ取り込み用のコンピューターで分析しました。今回は、一つのカテゴリー、つまり、星座とか血液等の中の、生年月日の分のデータが解析出来ました。」主任の話に、佐々木が質問した。
「全部いっぺんに解析出来ないんでしょうか?」
佐々木の質問に、
「情報量が半端じゃなくあるもので、一つずつ解析した方が、結果的にコンピューターも早く動いて解析も進むのです。」
主任が説明する。
「で、どうなんだ?」
村松が聞く。
「残念ながら、今の所全くおかしな所は見付かりません。動画と音声を同時にチェックしていますが、いたって普通のプログラムですね。さすがに、世界初の情報量を誇るシステムですので、特殊なプログラムですが、怪しい所はないですね。」
「世界初でもプログラムをチェックする事は出来るんですね?」
佐々木が質問する。
「ええ。世界初って言いましても携帯での話しで、プログラム自体は過去に使われていた物の進化版ですので。それに、全てを読み取る訳ではなく、プログラムには法則があるんですが、その法則から外れた物を見つけています。あと、動画と音を分けて、それぞれを専門の部署でも分析しています。」
「なるほど。それじゃ、何かあれば直ぐに見付かるって訳ですね。」
佐々木は理解したようだった。村松には良く分からなかった。
「全部解析するのに、あと二日は掛かりますね。なにぶん、カテゴリーが多いですから。」
今日の所はここまでで、仕方がなかった。二人は車に戻った。

既に十何人目かと思われる、事故無線が流れた。
「一体いつまで続くんでしょうね。」
ため息混じりに佐々木が言った。村松もまた、そう思っていた。世間とマスコミの警察へのバッシング。そして、成田から託された願いもあり、村松はあせっていた。
「佐々木。もう一度全部調べ直してみよう。俺たちが見落としている事がきっとあるはずだ。」
「はい。それじゃ、もう一度被害者の近辺を当たってみます。」
佐々木もじれったかった。二人は一度署に戻って別々に行動する事にした。
「頑張ってくれ。」
村松は頼むように言った。

部屋に入ると村松は再びビデオに向かった。画面を見ながら村松は言った。
「なるほど、皆うつむいていたのは携帯を見ていたのか。色んな事実が分かってくると、見えなかった物が見えて来るもんだな。」
何度も見ていたのに、今になって分かる事実。村松はあせっている自分を落ち着かせた。
「ん?」
些細な事だが、村松は気になった。
「なんだ?」
事故が増えるに伴って、ビデオも増えたが、その中の何本かに、偶然かも知れないが、被害者の近くで携帯を取り出して、話し始める男性が映っていた。
「もしかして、同一人物か?」
身を乗り出して画面を見つめる。しかし、次のビデオは女性が携帯をバッグから取り出していた。
「思い過ごしか。しかし、女装している可能性もあるな。」
何時の間にか、独り言が多くなっていた。村松は同一犯の可能性を探ろうと、次々とビデオを見ていった。以前、同僚が飛び込んで、村松が直接質問した現場のビデオが始まった。
「これは。」
村松は被害者が飛び込む直前、携帯を取り出す同僚の姿があった。
「まさか。」
もしも、同一犯ならこの同僚が犯人かも知れない。そして、手口はこの携帯で被害者に電話をする事。
しかし、隣の同僚に電話などするだろうか?やけに不自然である。被害者は既にうつむいており、多分占いのサイトを見ているのだろう。もし、同僚が犯人だったとして、このサイトとはどんな関係があるというのか?疑問だらけで接点が見えて来ない。とりあえず、事情を詳しく聞いて判断するしかない。見えなかった物が見えてきた村松は、この男に期待をよせていた。
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by deshi-mie | 2005-06-21 10:46 | 小説 第三章