パダワンとはスターウォーズに登場する戦士で、修行中の身の戦士の事です。私の仕事の車に関係する”ガレージ”を付け、初心に返る意味で、屋号にしてます♪


by deshi-mie
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22. 責任転換

社長の成田は、今後の会社の経営について考えていた。このままだと、倒産は確実だからである。

そこへ一本の電話が入った。南城だった。また会社の調子や何やらを聞いて来るのかと、少し成田は嫌だった。いつもの挨拶も終わり、南城が本題を切り出してきた。
「来月契約更新ですが、このまま更新で良いでしょうか?」
「もちろん、お願いするつもりだが。」
南城は当然の事とばかりに言った。
「失礼かと思いますが、噂では携帯の製造が停まっていると言う話を聞いたんですが、本当でしょうか?」
「何が言いたいんだ。もう別の所を手配している。少し生産性は落ちるが。」
ちょっと怒り気味に成田が言った。
「いえ、うちも経費がないとなかなか苦しい時期ですので、契約の確認だったんですが・・・。」
南城が淡々と話す。追い討ちをかけるように、南城は言った。
「実はですね。このシステムを契約したいって所があるんですよ。もちろん、成田さんの所と契約がありますから断りましたけど。」
このシステムが無くなれば、ジャパン・データ・ソフトはそこらの普通のメーカー以下だった。
「それは、うちとの契約を切るという事か?」
驚いた成田は、不安そうに聞いた。
「いやいや、そんな事ではありません。息子さんの件もありますので、他社さんと同額か近いものであれば契約させて頂こうかと思いまして。」
「で、幾らなんだ?」
今のこの会社には、殆ど蓄えは無いが、システムを手放すわけにもいかなかった。
「昨年の15%増しです。」
「15%だと?そんな額、無理に決まっているだろう。」
「他社がその様に言って来ておりますので、成田さんとのお付き合いも考えて、10%増しでも結構ですが。」
現状を考えると、不可能だった。毎月、保守料と契約金の分割分を合わせて支払っているが、今回のそれは、かなり難しいい金額だった。この会社が立て直せれば。成田は悔しい思いでいっぱいだった。
「少し考えさせてくれ。」
「全然構いませんよ。来月の10日までにお返事頂ければ助かりますが。」
そう言って電話は終わった。

経営難のジャパン・データ・ソフトには、最大のピンチだった。
成田は悩んだ。元はと言えば、変な噂のお陰で携帯が売れなくなったのが原因だ。あの噂さえなければ。
契約の返事まであと二週間とちょっとしかない。その間に現状を打開するのは不可能に近い。しかし、やらなければ全てを失う。
成田は思出した。確か警察は、サイトが怪しいとか何とか言っていたなと。
それならば、そのサイトさえ何とかすれば、この会社は助かるかも知れない。サイトの運営は南城の所だ。南城の所が原因だとメディアが取り上げれば、他社も手を引くだろう。
そうすれば、契約は自分の所しかいないと。
南条の所の信用も落ちるが、全国展開までに何とかすれば良いと。
世間が携帯の契約さえ維持してくれれば、メーカーの成田の会社にも通話・通信料のマージンが入る。その様な仕組みになっていた。
何とか南城の方に、責任転換する手立てを考える成田は、ポケットから携帯を取り出した。
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by deshi-mie | 2005-06-21 10:23 | 小説 第三章