パダワンとはスターウォーズに登場する戦士で、修行中の身の戦士の事です。私の仕事の車に関係する”ガレージ”を付け、初心に返る意味で、屋号にしてます♪


by deshi-mie
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12. 共通点

後日、調書とビデオが村松のもとへ届いた。
「おい、この中に同じ人物がいないか調べるんだ。調書は偽名の可能性もあるから、何か手掛かりになりそうな事を見つけろ。」
この中に必ず犯人の手掛かりになる物がある。村松はそう確信していた。

じっと画面を見つめる村松。何度も繰り返し繰り返しチェックするが、同じ人物らしき姿が見当たらない。わずか4本のビデオなのに。
「くっそー。何故いないんだ。変装でもしてるのか?やはり自殺なのか?」
苛立つ村松を佐々木がなだめる。
「警部。遺留品でも当たってみますか?何か犯人の手掛かりになりそうな物があるかもしれませんよ。ついでに、解剖の結果も見てみましょう。」
自分の予感が外れそうな事、部下に慰められている事、全てが情けなく思う村松だった。
「ああ、じゃあ俺は解剖の結果を調べるから、お前は遺留品を頼む。」
力が抜けたように村松が言った。
「何かあったら、すぐ連絡しますから。」
佐々木もこれ以上何も出ないと思ったが、村松を気遣って答えた。

解剖結果を聞く村松。
「そうか、薬物なんかも出ないか。普通にただの健康な体か。」
残念そうに村松がうつむく。
「外傷に関しましては、遺体の損傷が激しくて・・・。」
「そうか、有り難う。」
そう言って村松は部屋を出ようとした。そこへ電話が入った。佐々木だった。
「あ、もしもし。佐々木です。遺留品は駄目でした。これといって手掛かりになる様な物は・・・。あ、でも被害者の周りを当たってみたら、関係あるか分かりませんが、一つだけ共通点がありました。」
今の村松にはどんな手掛かりでも嬉しく思えた。
「何だ?早く言え。」
「ええ、本当に関係があるか分かりませんが、みんな占いに凝ってました。」
「何?占い?そんなもん誰だってやるだろう。本当に関係なさそうだが、もう少し調べてみてくれ。」
村松は、期待していた返事よりかなり外れていた為、がっくりと肩を落とした。占い?たまに変な占いで自殺する奴はいるかも知れないが、今回はもう4人だぜ。それとも、何か宗教まがいのマインドコントロールか?俺もテレビの見すぎかな。頭の中で色々な事が巡ったが、これといって解決策は思い浮かばなかった。

「帰ってもう一回ビデオでもチェックするか。」
独り言を言いながら、村松は車に乗り込んだ。
夕日が眩しくてサングラスを取ろうとした所で、またも無線が鳴った。
「代々木駅で男性の飛び込み事故発生。至急・・・」
「おいおい、またかよ。何が原因何だ?」
村松は謎だらけのこの事件に怒りにも似た気分だった。

夕方のホーム。学校や会社帰りの人でごった返していた。
「どうだ?」
いい加減同じ答えしか返って来ない現場に、少々いらついて、ぶっきらぼうに問いかけた。
「はい。二十五、六の男性ですが、同僚と一緒だった様で。あちらの男性です。」
意外な答えに村松は嬉しかった。何か手掛かりになる事が聞けるかも知れない。
「すみません。私、警部の村松と言います。」
同僚の男性は、かなり動揺した様子で、
「あいつが、あいつがいきなり歩いて。それで、止めようとしたけど・・・。そのまま歩いてって。」
また同じ状況だった。
「その時何か変わった事はありませんでしたか?誰か近くに居たとか?」
男性は村松を見上げていった。
「誰か?周りは電車待ちの人でいっぱいでしたよ。え、誰かに押されたって事ですか?殺されたんですか?どうなんです?そうなんですか?」
男性は村松の言葉にさらにパニック状態に陥ってしまった。
「いえ、すみません。とりあえず、色々聞いておかないといけませんので。申し訳ない。」
そう言って頭を下げた。これじゃ今日は無理だな。そう思い、署に戻ってビデオをチェックしようと思った。
「じゃあ、こちらの男性の事頼んだよ。」
そう警察官にいうと、階段の方へ向きを変えた。そこで、佐々木の言葉が頭を過ぎった。村松は振り返り、
「最後に一つだけ。同僚の方は占いが好きでしたか?」
男性は、思いもよらない質問に少し驚いたようで、
「なんですかこんな時に。ええ、確かにあいつは占いに凝ってましたけど。それが何か関係あるんですか?」
村松はニヤリとしたかったが、何とか持ちこたえた。
「いや、何でもない。変な事聞いてすみませんでした。」そ
う言って現場を後にした。
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by deshi-mie | 2005-06-20 13:12 | 小説 第ニ章