10. 計画
2005年 06月 20日
木村は社長室にいた。また経費の件で呼ばれたのだった。
「それじゃ、そう言う事で頼んだよ。皆に言い聞かせてくれ。君しか出来ないんだよ。」
いつも同じような事ばかりなので、最近はほとんど聞いていない。
「ところで社長。私の話、由香さんにして頂けました?」
いきなり本題に入った。
「ああ、その件ね。由香は昨日お見合いしてね。相手はジャパン・データ・ソフトの成田君だよ。知ってるだろ?息子だよ。君には残念だが、結婚すれば開発費もあちらから出るから、君も思う存分開発に取り組めるぞ。」
そう言って満足そうに笑った。
「それって、政略結婚じゃないですか。由香さんが可哀相ですよ。」
善人ぶって木村が言った。
「心配いらんよ。二人とも意気投合して、結婚を前提に付き合う事になったんだ。」
一番聞きたくない事を聞いてしまった。俺の計画、俺の計画。心の中で木村は叫んでいた。計画を邪魔された怒りでいっぱいだった。
「そうですか。それでは仕方ありませんね。」
そう言って社長室を後にした。それからトイレの大便器の蓋に座り考えた。
この計画を成功させるには・・・。
計画を復帰させる新たなこの計画の始まりは、実は少し前の別の事がきっかけで、既に考えていた。
「ようし見てろよ。早速計画は実行だ。フッフッフッ。一石二鳥じゃないか。俺を甘く見るなよ。」
怪しげな笑みを浮かべて、木村は席に戻った。
「それじゃ、そう言う事で頼んだよ。皆に言い聞かせてくれ。君しか出来ないんだよ。」
いつも同じような事ばかりなので、最近はほとんど聞いていない。
「ところで社長。私の話、由香さんにして頂けました?」
いきなり本題に入った。
「ああ、その件ね。由香は昨日お見合いしてね。相手はジャパン・データ・ソフトの成田君だよ。知ってるだろ?息子だよ。君には残念だが、結婚すれば開発費もあちらから出るから、君も思う存分開発に取り組めるぞ。」
そう言って満足そうに笑った。
「それって、政略結婚じゃないですか。由香さんが可哀相ですよ。」
善人ぶって木村が言った。
「心配いらんよ。二人とも意気投合して、結婚を前提に付き合う事になったんだ。」
一番聞きたくない事を聞いてしまった。俺の計画、俺の計画。心の中で木村は叫んでいた。計画を邪魔された怒りでいっぱいだった。
「そうですか。それでは仕方ありませんね。」
そう言って社長室を後にした。それからトイレの大便器の蓋に座り考えた。
この計画を成功させるには・・・。
計画を復帰させる新たなこの計画の始まりは、実は少し前の別の事がきっかけで、既に考えていた。
「ようし見てろよ。早速計画は実行だ。フッフッフッ。一石二鳥じゃないか。俺を甘く見るなよ。」
怪しげな笑みを浮かべて、木村は席に戻った。
by deshi-mie
| 2005-06-20 12:57
| 小説 第一章