パダワンとはスターウォーズに登場する戦士で、修行中の身の戦士の事です。私の仕事の車に関係する”ガレージ”を付け、初心に返る意味で、屋号にしてます♪


by deshi-mie
カレンダー
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31

2.アルバイト

列車事故の一ヶ月前。都内のあるエスニックバー。
二人の男がバーで携帯を片手に話をしている。

「おい、友助(ゆうすけ)。お前っていっつも携帯いじってんなぁ」
同僚の圭太(けいた)に言われながらもメールをし続ける友助。
「いくら携帯会社の息子って言ったってやりすぎじゃないのか?」

そう、友助は今や大手携帯メーカーに追いつく勢いで急成長の、携帯電話メーカーの社長の息子である。また、このメーカーの売りの大容量通信システムは、東京エリア限定のテスト通信中だが、かつて無いハード&ソフトの出現に、全国展開すれば、トップクラスは確実だった。

「うるさいなぁ。お前もやってんじゃん。いいアルバイトがあるんだよ!」
いつも言われているのでいい加減うざい様な口調で返事を返す。
「俺はメールの確認してたんだよ。誰もメールくれないけどさ。」圭太も反対に言い返す。

ここで疑問。社長の息子が何故アルバイト?そう、彼の父親でもある社長は、下積み時代が長く、人の苦労も分からない人間は人の上に立てないとの、大変立派な考えの持ち主の為、息子を都内の自社の携帯ショップに勤務させているのだった。
メーカーが自社の携帯ショップというのも、社長のアイデアだった。通信会社に任せきりではいけないと考えていた。

「しっかし、お前も大変だよな。親は金持ってんのに。」
「いいんだよ、別に。将来は俺が社長になるんだから。この調子で行くとすっげーでかい会社になるぜ。」
そう言ってメールのチェックを続けた。
「あ、俺連絡入ったからバイト行ってくるわ。」
友助がビールを一気に飲み干して言った。
「最近、お前いっつもバイトってなにしてんだよ?しかもこんな時間から。」
圭太は友助のバイトを聞いた事がなかった。
「ま、ホストみたいなもんかな?最近出会い系で見つけたんだ。結構いい金になるんだぜ。んじゃ、いくわ。」

急に振り返り、友助は付け加えた。
「んでも、最近ちょっと面倒くさくなってきたから、あと何回かでやめる。」
ちょっと危険なこのバイトに終止符を打ちたかった友助は、誰かに宣言して自分にプレッシャーを与えたかった。
金と理性とに揺れる自分に・・・。
[PR]
by deshi-mie | 2005-06-20 10:56 | 小説 第一章